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平成10年第一部決算特別委員会−10月23日-09号
平成10年第二部決算特別委員会−10月23日-09号

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  1. 札幌市議会 1998-10-23
    平成10年第二部決算特別委員会−10月23日-09号


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    平成10年第二部決算特別委員会−10月23日-09号平成10年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第9号)                 平成10年10月23日(金曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  村 山 優 治 君       副委員長   猪 熊 輝 夫 君     委   員  小 谷 俵 藏 君       委   員  室 橋 一 郎 君     委   員  佐 藤 美智夫 君       委   員  常 本 省 三 君     委   員  宮 本 吉 人 君       委   員  千 葉 英 守 君     委   員  伊 藤 知 光 君       委   員  佐々木   肇 君     委   員  宮 村 素 子 君       委   員  馬 場 泰 年 君     委   員  新 山     君       委   員  鈴 木 健 雄 君     委   員  高 橋 克 朋 君       委   員  岡 本 修 造 君     委   員  伊与部 敏 雄 君       委   員  西 村 茂 樹 君     委   員  畑 瀬 幸 二 君       委   員  岩 木 みどり 君     委   員  小 野 正 美 君       委   員  本 舘 嘉 三 君     委   員  森   健 次 君       委   員  春 原 良 雄 君     委   員  義 卜 雄 一 君       委   員  高 橋   功 君     委   員  高 橋 重 人 君       委   員  荒 川 尚 次 君
        委   員  武 藤 光 惠 君       委   員  宮 川   潤 君     委   員  佐々木 周 子 君       委   員  菅 井   盈 君     委   員  松 浦   忠 君       委   員  北 川 一 夫 君       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時1分 ○村山 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,特にございません。  それでは,議事に入ります。  本日は,本委員会に付託されました議案6件に対する討論及び採決を行います。  議案第1号中関係分及び議案第2号から第6号までの6件を一括議題とし,討論を行います。 ◆宮村 委員  私は,自由民主党議員会を代表し,第二部決算特別委員会に付託されました平成9年度の決算関係の諸議案につきまして,これを認定する立場から,討論を行います。  平成9年度は,国において,数次にわたる景気対策の実施による巨額の公債費残高が一段と財政を硬直化させ,極めて厳しい財政運営となったのであります。こうした景気の不透明な状況にあって,本市を取り巻く財政環境は,市税など一般財源の伸び率が低いものとなり,さらに,市債償還の増嵩や高齢化社会への対応など多くの財政需要を抱えることとなり,ますます財政運営が厳しいものとなったのであります。  しかし,平成9年度は,第3次5年計画を軌道に乗せる重要な年であり,防災対策や福祉・保健医療の充実などの各施策を確実に推進させるために,バランスのとれた予算を編成して臨んだものと考えます。そして,これが予算の執行に当たっては,厳しい財政状況を十分に認識して,歳入については,常に収入状況を把握し,可能な限りの早期収入と増収に努めることとし,歳出にあっては,年度内の完全執行を目指し,効率的・合理的に運営されていたと認められるのであります。  その執行結果で特筆すべきことは,まず,清田区が誕生して,清田区役所保健センター,消防署などを併設する総合庁舎が新設されたことであります。また,札幌コンサートホールKitaraやつどーむがオープンするなど,市民の芸術・文化の拠点となる施設が誕生して,市民サービスの充実に努められたことであります。  さらに,平成9年度の決算に関連しまして,我が会派が本特別委員会で取り上げて質問いたしました主なものを申し上げます。  福祉行政に関しては,保健福祉局の統廃合による成果と今後のあり方,知的障害者就労相談主任手当支給事業の充実,精神科夜間急病医療の現状と今後の体制整備乳幼児医療費助成支給年齢拡大介護保険事業では,職員体制,事業費,民間活力の導入及び介護認定審査会の概要。市立病院に関しては,患者サービス向上策としての予約診療と院外処方の導入。  建設行政に関しては,道の管理する河川についての適切な維持管理を求める要望,生活道路の排雪制度の一本化。工事発注関係では,工期設定と速やかな検査と工事費支払い。  住宅行政に関しては,市営住宅家賃滞納者の取り扱い,北郷団地の事故後における工事安全対策。  経済行政に関しては,大谷地新卸売業務団地の分譲・誘致活動及び利便施設導入の考え方,都市型農業振興のための取り組み中央卸売市場整備事業の今後のスケジュール。  交通行政に関しては,地下鉄営業時間拡大の基本的な考え方,地下鉄需要喚起策のこれまでの取り組みとその成果。  水道行政に関しては,出納取り扱い金融機関の変更などの意見,要望を交えながら,質疑を行ってまいりました。  これらの質疑の前提となりました平成9年度の決算の特徴は,一般会計の歳入のうち,市税では,景気低迷による法人市民税の減,評価替えに伴う負担調整措置等による都市計画税の減があったものの,個人市民税や税制改正によるたばこ税の増などによって収入率が前年を上回ったことにより,総額で増加したことや,歳出では,生活保護費中小企業金融対策貸付金,公債費などの増加が挙げられると思うのであります。  このように,決算状況を見ますと,厳しい財政状況の中にあっても,北の理想都市サッポロの実現に向けた努力や工夫がうかがわれ,十分な成果を上げたものと認めるものであります。  また,我が自由民主党議員会は,平成9年度予算に関して,行政改革の断行,事務事業の見直しを行う一方で,市民の負託にこたえるため,5年計画の具現化に向けた事業展開を求めており,このことがこのたびの決算に認められましたことから,これを評価するものであります。  しかしながら,今後の行政運営の上で,積極的に取り組まなければならない課題,将来に向けて解決しなければならない問題が山積しているのも事実であります。  具体的に申し上げますと,1点目として,民間活力積極的導入の一環として,市営バス事業の民営化,または民間委託への移行についてであります。平成9年度決算では,運賃収入と人件費のバランスがとれておらず,正常な経営状況とは言いがたいのであります。したがって,平成13年の規制緩和導入時を目途に,民間活力の導入を考えるべきであります。  2点目としては,人件費の総額の抑制の視点から,職員給与の見直しと職員定数削減についてであります。職員の給与水準については,国並みとすべきであり,調整手当特殊勤務手当などの給与体系についても見直しをすべきであります。また,人事委員会からの職員の給与に関する勧告については,今日の経済状況から,凍結も含め考えるべきであります。  次に,職員定数については,少数精鋭による簡素で足腰の強い組織を構築することなどにより,定数の削減に取り組むことが必要であると思います。  3点目としては,地下鉄の経営健全化計画の見直しと需要喚起策の推進についてであります。地下鉄が,札幌市民の財産として後世の市民へも確実に受け継がれ,本市の基幹交通として役割を果たしていくためには,早急に経営健全化計画の見直しが必要であります。また,地下鉄事業の置かれている厳しい経営環境を認識し,市民への働きかけを含め,関係部局が一体となって需要喚起策に取り組む姿勢が重要であると考えます。  以上,会派として意見を申し述べましたが,平成9年度決算並びにこれらに関連する事項に関して,我が会派委員から出されました提言,要望を十分にしんしゃくされまして,今後の市政執行に当たりますよう要望いたしまして,討論を終わります。 ◆岩木 委員  私は,第二部決算特別委員会所属民主党委員を代表いたしまして,本委員会に付託されました議案第1号から第6号までの6件について,これを認定する立場から,討論を行います。  初めに,保健福祉局関係です。  視聴覚障害者情報文化センター設置場所については,当初計画を変更して,地下鉄近接の交通至便な適地を選定すると言われて久しいわけですが,現女性センターの跡利用を含め,早急に結論を得て,関係者との検討機関を再開していくことを求めておきます。  少子化対策については,合計特殊出生率1.12と,政令都市中最下位にある当市の実態を重視して,全庁的な少子化対策推進部会を設けたことは,その展開に大きな期待が寄せられるところです。  しかし一方では,保育所待機児童は,前年同月より減少を見せてはおりますが,今後も待機児童の解消に努力すべきです。  精神障害者の福祉については,民間の活力を活用し,新しい福祉施策の展開を目指すべきです。本年5月に策定した札幌市精神障害者保健福祉計画の具体化に当たっては,官民がそれぞれの特性を生かして施策を推進するべきであります。  老人クラブ加入率向上や活動の新たな展開を図る意味から,同一地域制となっている補助要綱を改善し,さまざまな形態の老人クラブを育成していく方策をとるべきであり,検討を強く求めます。  重症心身障害児施設の増改築に合わせて,待機児童の解消,入所者の処遇改善を図るとともに,短期入所,通園事業の拡充など,在宅介護家族支援策を充実することを強く求めます。  介護保険制度のもとで大きな役割を果たす介護支援専門員の配置については,特定事業者の利益優先や要介護者の抱え込みなどの弊害を避ける必要があります。さらに,NPO等サービス提供機関の活用・育成など,介護システムの新たな構築の観点からも,区役所の相談窓口の充実や,公平・中立な介護保険計画作成機関を配置すべきであります。また,より身近なところで苦情処理が迅速に行われ,運営全体のチェックやサービス向上を目指すため,各区に介護保険運営委員会を設置すべきことを主張しておきます。  札幌市の結核患者に占める高齢者の割合は増加の傾向にあり,決して楽観できる状況ではありません。したがって,再興感染症としての結核対策の充実を図る必要があり,中でも,高齢者全般への対策を優先課題に取り組むべきです。  また,全国各地で発生した毒物混入事件を防ぎ,市民の不安を少しでも解消するには,犯人の検挙が最も重要ですが,一方で,毒劇物を取り扱っている本市施設はもちろんのこと,市内営業者大学等教育機関に対し,適切な保管・管理の徹底を指導するとともに,全施設立入検査をすべきです。  次に,市立病院関係です。  市立病院の96年度決算額と97年度決算額とを比較すると,約8億7,000 万円好転しており,経営健全化に向けた内部努力の成果があらわれています。しかし,97年度末累積欠損金は,静療院と合わせて66億3,700 万円となっています。しかも,98年度決算見込みでは約80億円,99年度は企業債,医療機器の更新,退職金等の増加分を含めると,年度末の累積欠損金は約100 億円以上になります。  市立病院は,一般医療のほか,高度・先進的医療を推進し,救急,未熟児,精神病などの不採算部門を担いながら,地域医療の向上に向けた基幹病院としての役割と使命を持っていることから,経営面において非常に厳しい状況にありますが,今後,経営健全化に向けて市立病院の一層の改善を訴えます。  次は,建設局関係です。  まず,予定価格事後公表について,本年2月に,中央建設業審議会は,建議の中で,不正な入札の抑止力となり得ることや,積算の妥当性の向上に資することなどから,予定価格事後公表に踏み切るべきであると提言していることから,札幌市としても,早期に公表していくべきです。  次に,除雪事業をめぐる不祥事については,市民の負託に背くことのないよう,再発防止に強い決意で臨むとともに,今後の業務委託体制の改善に向けては,現在よりも非効率にならないよう検討すべきです。  また,立体交差事業に伴う補償業務でありますが,白石区北郷通事業は,かつてないこととして大型分譲マンション問題を抱えています。したがって,きめ細かな地権者対応を図る必要があることから,この事業については特別の対策を立てるべきです。  市が発注する工事代金については,元請のみならず,下請にとっても安全・確実な資金確保ということが期待されています。元請から下請への代金支払いに当たって,現金ではなく,手形で支払われる場合があります。本市では,札幌市建設工事施工体系適正化指導要綱の中で,手形期間は120 日以内で,できる限り短い期間とし,一般の金融機関による割引が困難であると認められる手形を交付しないこととなっていますが,この要綱が完全実施されていない状況があります。特に,本市が発注した公共事業の代金については,竣工代金の請求書を元請事業者が本市に提出した際に,支払い期限等を明示した請求書受領書的措置などをとるよう訴えます。  次に,都市局関係です。  土地区画整理会計の中で,札幌駅南口土地区画整理事業内の保留地1,280 平方メートルについてです。この土地は,隣接する管財部所管の普通財産2,120 平方メートルと合わせた3,400 平方メートル,実勢価格43億円について,早急に結論を出すよう訴えてきました。保留地分土地価格は,購入時から大きく下落,金利を含めると,実勢価格の約16億円で売却できたとしても,約58億円の損失となります。この損失を少しでも少なくするために,隣接地を含めた市有地に公益的関連施設を誘致し,かつ,市として,公共的利用を具体的に図ることができる相手先の用地と交換することが,最良の手段であると考えます。  本市は,施設誘致の相手先が郵政省のメルパルクであることを明らかにしました。しかし,現在のメルパルクは,面積8,300 平方メートル,現在の土地価格は約23億円であり,等価交換にはなりません。郵政省の他の物件ともあわせて,早急に用地問題が解決され,相手の土地の有効利用を図ることによって,市民が納得いく評価ができるよう強く訴えます。  次に,仮称札幌ドームについてです。  札幌ドームは,構造的な特徴から広告設置場所が限定されています。しかし,ドームの健全な運営のため,広告収入を上げることは重要な方策です。今回の理事者答弁で,客席後部の天井から,つり下げによる広告スペースの設置が可能であることが明らかになり,設置箇所数については,27カ所程度が見込まれることになりました。収入確保のため,ドーム内に多くの広告スペースを確保することが重要であることを強く訴えるものです。  次に,団地造成会計についてです。  特に,篠路地区住宅団地新川地区工業団地について指摘します。  篠路地区住宅団地事業については,総事業費約426 億5,000 万円を投入し,一般住宅用地753 分譲地と関連分譲用地,合わせて801 分譲地となっております。しかし,97年度から分譲を開始した一般住宅用地は,現在まで115 用地の分譲がされているのみです。しかも,過去に例を見ない広告宣伝費約5,200 万円を費やし,今後の広告費も含めて約2億円を使用する見込みであることが明らかになりました。  また,新川地区工業団地についてですが,総事業費約146 億6,000 万円を投入すると同時に,まちづくり推進基金から約9億5,000 万円を繰り入れし,造成原価を下回る価格で分譲していますが,現在,5社のみが契約されているだけです。木工団地の集団移転も,断念が決まっております。しかし,この事業の資金は,民間金融機関から約70億円借り入れており,現在の金利が約9億円にも上っています。とりあえず,この金利負担を解消するため,まちづくり推進基金で抱くことが一つの手段です。同時に,集中した販売能力を発揮できるようなプロジェクト体制をとるべきです。さらに,工業団地にこだわらず,多目的団地として位置づけるべきであり,篠路,新川両団地について,未処分用地の早期分譲に最大限の努力を展開することを強く訴えます。  次に,経済局関係です。  さとらんどの入園者は,1995年7月開園以来,毎年40万人を超えていますが,交通手段については,公共交通機関の利用がわずか5%程度です。さとらんど立ち上げの趣旨からして,地下鉄東豊線の北部に位置する当該施設は,地下鉄需要喚起策に貢献しなければなりません。一層の改善努力を求めます。  また,さとらんど内でのパークゴルフ場利用料金が,同じ東区内の,しかも隣接した場所つどーむコースとの差が出てきました。このことが愛好者から敬遠される要因にならないよう,つどーむ並みの料金に改定すべきです。  次に,交通局関係です。  経済性に重点が置かれた規制緩和の実施後においても,今後の高齢社会都市環境保全の要請が高まる中で,生活路線の確保を初め,公共性の高い市営バス事業の果たす役割はますます重要です。現在進められている市営交通事業経営健全化計画において,既に職員削減など内部効率化は前倒しをして実施されており,需要喚起策の不十分さなど,収支の悪化を理由に,これ以上,職員に犠牲を強いるような経営の効率化は本末転倒です。経営健全化に向けて,全庁一丸となった一層の取り組みを強く求めます。  次に,水道局関係です。  市民サービスの向上の視点から,水道救急センターを設置し,夜間・休日を含む24時間,365 日対応できる体制が整備されたことは評価できますが,同時に,冬期間の凍結防止についても市民PRを図ることを求めます。  水道料金の収納に,コンビニエンスストアの利用が本年4月から始まりましたが,当初見込みを大きく上回る著しい成果を見せ,市民サービスの向上と収納率アップに結びついたことは高く評価します。  最後に,ただいま申し上げましたほかに,本特別委員会で我が会派委員が指摘をし,提言を行ったものについては,今後の市政執行の中で的確に反映されることを強く要望して,私の討論を終わります。(拍手) ◆高橋[功] 委員  私は,ただいまから,公明議員団を代表し,市長から提案されております平成9年度決算にかかわる諸議案につきまして,これを認定する立場から,簡潔に討論を行います。  平成9年度の我が国の経済成長率は,戦後最悪のマイナス0.7 %を記録し,中でも,北海道経済は,昨年11月の拓銀の経営破綻を契機に急速に冷え込んだことから,低迷状態が長引き,企業倒産や失業が増加するなど,景気の先行きは依然として不透明のままであります。  そのような状況にあって,本市における平成9年度予算は,長引く景気の低迷や金融不安などの経済状況に適切に対応するとともに,第3次5年計画の2年次目として,計画に盛り込まれた各施策を着実に推進するため,できる限りの財源確保を図りながら,最大限の努力を払って編成されたものであります。  その執行結果である決算を概括いたしますと,まず,歳入では,市税のうち法人市民税景気低迷により減少したものの,個人市民税たばこ税の増加に加え,収入率の上昇などにより計上された予算額を確保することができましたが,市債については,将来的な負担も考慮し,発行を抑制したことにより減少したところであります。一方,歳出では,生活保護費中小企業金融対策資金貸付金のほか,市債の償還が増加している中で,国民健康保険事業交通事業の健全化を図るための多額の繰出金は,一般会計財政状況を一層厳しいものとしております。  このような状況にあって,我が会派が強く求めてきた行財政改革についても,事業再評価プログラム取り組みなど,徹底した経費の節減と効率化を図る一方,本市経済の状況にかんがみて景気の下支えとなる緊急対応も行ってきた結果,計上された事業はほぼ予定どおり執行され,十分,所期の目的が達成されたものと評価するものであります。  そこで,本特別委員会の審査を通じて,我が会派が取り上げてまいりました諸課題を中心に,提言,要望を含め,主なるものを見てまいりたいと思います。  最初に,行財政問題にかかわる出資法人についてであります。  行財政改革の一層の推進を図るためには,行政みずからの改革のみならず,本市が公金を出資する出資法人についても,経営改善の努力が今まで以上に求められております。出資法人は,公共性を確保しつつ,民間の営利性,経済性,機動性をあわせ持ち,地方公共団体行政機能を補完する重要な役割を担っていますが,時代の変化とともに事業内容等の見直しも必要と考えます。  そこで,我が会派では,本年3月,行財政改革調査会を設置し,実態調査なども行った結果,本市が主体的にかかわる指定出資法人については,法人のあるべき姿を明確にするとともに,情報公開と統廃合を一層推進すべきであるなど,10項目の提言をしております。本議会の代表質問においても,現行法を超えてでも,議会へ経営状況を報告する法人の対象範囲を拡大すべきとの立場での提言もしたところであります。  本市においては,これらの提言を踏まえて,出資法人の見直しをさらに積極的に推進し,一刻も早く,より効率的でスリムな体制を確立するよう期待するものであります。  次に,産業の活性化対策では,経済交流の拠点となるコンベンションセンターの整備とコンベンション事業の効率的な取り組み方策や,都市間競争に対処するためのシティー・セールスの推進体制の強化について要望いたします。また,第50回さっぽろ雪まつりについては,各種記念行事の開催や,積極的な観光客の誘致を図り,経済的活性化の要素として位置づけるべきと考えるのであります。  次に,保健・福祉問題では,介護保険制度については,要介護認定からケアプランの作成,サービス提供に至る利用手続の検証を十分に行う必要があると思うのであります。また,女性などへの暴力,臍帯血移植,少子化,徘回痴呆高齢者,乳幼児突然死症候群,乳幼児医療費助成等の諸問題について,それぞれ意見,要望を行ってきたところであります。  次に,水道については,9年度決算の評価と水道管の工事,交通については,経営健全化計画に関する乗客誘致対策や定期券の利用促進策について,それぞれ意見を述べてきたところであります。  以上が,本委員会の審議において,我が会派の委員が取り上げました質疑等の概要であります。理事者におかれましては,指摘や要望などを十分しんしゃくされ,市政執行に当たられることを要望いたします。  終わりになりますが,今後とも景気の低迷が続き,市税等が低い伸びにとどまることが見込まれる一方,人件費や市債の償還などの義務的経費が増加することのほか,高齢化社会への対応など多くの財政需要が発生し,本市を取り巻く財政環境は従前にも増して厳しい状況になると思われます。さらに一層の行財政改革の推進を図るよう重ねて強く要望いたしまして,私の討論を終わります。 ◆宮川 委員  私は,日本共産党を代表して,本特別委員会に付託されました議案第1号から議案第6号に反対する立場から,討論を行います。  まず,議案第1号 1997年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分について,この決算認定に反対する主な理由について述べます。  この決算の大きな特徴は,消費税増税とあわせて公共料金の値上げを行ったこと,また,開発にかかわって,負担を市民にしわ寄せしたことなどです。  我が党の反対を押し切って,保育料を22年間連続値上げしたことは,若年世帯の厳しい生活実態を無視したものであります。  また,地方行革の名のもとに,各区1カ所あった保健所を全市で1カ所に統合し,各区には機能を薄めた保健センターを配置したことは,市民の健康を守る上で後退と言わざるを得ず,容認できません。  エネルギー供給公社についてですが,莫大な累積赤字を抱え,事業が破綻しているにもかかわらず,10億円もの事業費貸付金を支出していることは,認定できません。  国民健康保険会計では,1世帯当たりの保険料は据え置いたものの,1人当たりの保険料では値上げになっていることは重大であります。また,社会保険などと比べても高過ぎるとの批判が高まる中,限度額を51万円に引き上げたことは問題です。高い国保料のため,払いたくても払えないという実態の中で,昨年12月,1万5,000 件に上る保険証を渡さず,5,000 件の資格証明書や1万件の短期保険証を発行していることは問題であることを厳しく指摘しておきます。  土地区画整理会計についてですが,札幌駅南口問題では,本市が70億円で購入した保留地が16億円に暴落したこと,本市がJR本社ビルの移転費用56億円を負担していること,加えて,減歩率も,JRが5.5 %である一方,本市は19.6%となっている問題を含むものであり,本市のみが負担を背負い込むのではなく,JRに応分の負担を求めるのは当然であり,こういう決算は認定できません。駅南口ビルについては,札幌の都市環境と調和したものとなるよう指導性の発揮が必要であります。  団地造成会計では,新川工業団地の問題で,原価割れの分譲価格の設定に伴う赤字補てんとして,まちづくり基金から9億4,900 万円を投入することは容認できないところでありますが,それに加えて,売れ残る9割以上の未分譲地を基金が60億円支払って抱える方向が明らかにされており,また,今後の分譲に当たって,さらに価格の引き下げがあり得るとのことであり,さらに,市民福祉にも直結した基金が失われていくことになります。二重,三重に問題のある決算であり,到底,容認できません。  次に,議案第2号 病院事業会計決算でありますが,予算議会の段階でも指摘したように,消費税増税にかかわって,文書料や特別室使用料の値上げ,その他,患者負担をふやした決算であることから,認定できません。  また,看護婦についてですが,増員などによって年次有給休暇が消化できる体制をとることが必要であります。第2種非常勤職員についてですが,人命を預かる仕事であり,現に10年も勤めている人もいることを勘案すれば,3年で退職させることは適切ではなく,働く権利を守る立場から,一方的に退職を迫ることは許されないことを強調しておきます。  議案第3号 中央卸売市場事業会計決算についても,消費税増税分を市場使用料に上乗せしたものであり,認定できません。  議案第4号 交通事業会計決算並びに議案第5号 高速電車事業会計決算についてです。  地下鉄20円,バス10円の基本運賃の値上げのほかに,乗り継ぎ割引の縮小による値上げを行った決算であり,物価が鎮静化している中,不況に苦しむ市民に新たな負担を強いる突出した値上げとなったものであり,反対です。  値上げの結果,乗車人員が大幅に減少し,サービス低下と,安全面さえ危惧される人減らしなどで経費の節減を図っても,なお45億円の収入増の予算に対し,24億円の増加にとどまったのであります。値上げによって客離れを進め,赤字を埋めるためにまた値上げをして,乗客逸走を拡大するという悪循環を断ち切って,本格的にパーク・アンド・ライドを進めることや,定期券や乗り継ぎ料金の割引率の拡大や,環境定期券の発行など,思い切った料金面など,市民サービス強化による需要喚起策によって乗客増を図るべきであります。健全化計画の破綻は明らかであり,市民本位に計画の再検討を求めるものであります。  議案第6号 水道事業会計決算についてでありますが,新たに60億円の資産維持費を市民に負担させるなど,15%の値上げをした決算であり,認定できません。  施設能力と配水量との乖離についても問題であります。すなわち,最大配水量で10万トン,平均配水量で20万トンもの乖離があり,この過大な設備投資が料金にはね返っている問題であります。工事費を下げる努力をしながら,施設整備を必要最小限のところで適切に確保していくよう求めておきます。  次に,本委員会で我が党が指摘した問題などについて,局ごとに述べてまいります。
     まず,保健福祉局についてです。  福祉のまち推進センターへの予算配分が不足しており,社会福祉協議会に登録しているボランティア団体への助成金ともども増額すべきであります。行政の本来の果たすべき役割として,福祉除雪などを実施すべきであります。  障害者向けホームヘルパーは,需要がふえていることを受けとめ,国の指導に従い,派遣制限の上限を撤廃すべきであります。24時間巡回型ホームヘルプサービスとの併用も含め,在宅3本柱の強化を求めます。  聴能言語訓練は,札幌聴力障害者協会に委託し,現在は,身体障害者福祉センター1カ所で週2回しか実施していないため,会場や回数を拡大すべきであります。また,手話通訳者のなり手がなく,数カ月間も定員割れしていた最大の理由は,第2種非常勤職員という身分保障の不十分さであり,一刻も早く改善が必要であります。  保育についてですが,延長保育の保育料や手続,保育内容について,父母の負担増や混乱が起きないよう十分な指導が必要であります。待機児童は,7月現在で304 人と,増加の一途をたどっておりますので,当初の5年計画の創設目標を減らさずに,待機児童の多い地区に積極的に進めるべきであります。老朽園舎の改築について,RC構造のところを除いても,築25年以上の園舎が32園あることを視野に入れて,目標を後退させず,計画的に進めるよう求めます。待機児童がいない地域では,広域入所を実現するよう協議を進めること。予備保母など,公私間格差の是正についても求めておきます。  放課後児童健全育成事業についてですが,児童福祉法の改定によって盛り込まれた学童保育を正面から受けとめ,生活の場と呼ぶにふさわしい,保護機能を高めた新たな対応が必要であります。民間の共同保育所が実施主体と認められたことを踏まえて,本市においても,児童会館内の児童クラブ以上の保護機能を備えていることを認め,市の施策の中でも正しく位置づけ,補助の拡大を図るべきであります。  生活保護受給者が急増していることから,ケースワーカーも80世帯に1人という国基準を満たすよう増員を図るべきであります。また,1985年から据え置かれている応急援護資金の増額が必要であります。  敬老パスについてですが,申告制を制度改悪の入り口としないよう,所得制限,年齢引き上げ,費用負担の導入はすべきでないことを改めて強調しておきます。また,取りに行くことが困難な高齢者への配慮が必要であることを申し添えます。  高齢者保健福祉計画については,特別養護老人ホームの待機者がふえていることにもかんがみ,介護保険実施までに十分な基盤整備が行われるよう目標の引き上げを行うべきであります。介護保険の低所得者対策として,保険料や利用料について減免制度の実施を早急に検討すべきであります。  乳幼児医療助成制度については,市民の要望にこたえ,就学前までの拡大を求めます。  難病患者の医療費についてですが,他の政令指定都市のすべてが,障害者の重度医療助成制度との組み合わせなどによって自己負担分の全部または一部を助成していること,道内でも8市が助成を行っていることなどから,本市でも一刻も早く助成を実施するよう求めます。  次に,建設局関係です。  除雪にかかわる汚職の問題に関してですが,契約の透明性を高め,競争入札とすべきであります。また,除雪事業民間委託が進む中で起こった事件であることを受けとめるべきであります。  次に,都市局関係です。  200 戸の予定であった借り上げ市営住宅が,今年度,59戸にしかならなかったのは問題であり,自己資金と採算ベースの関係や条件の緩和など,原因の分析と改善を急がなくてはなりません。住宅基本計画でも,安住できる住宅の確保とありますが,改めて,本市の住宅政策,とりわけ高齢者対応が問われており,特に高齢単身者の多い中央区などでの建設を進めることなど,区別の需要もつかみ,長期・短期の配置計画をつくるべきであり,来年度には,今年度の計画未達成分も含めて前進できるよう求めます。市営住宅の入居募集方法が突然変わったことによって,低額所得者が特定目的世帯から外されることがないよう求めておきます。郵送で募集を行う場合は,記載漏れや書類の不備への対応ができなくなること,当選した後に資格がなかったことが判明することが発生するなど,住民サービスの点から問題点が多いため,時間をかけて検討すべきであります。  最後に,経済局関係です。  中小企業金融についてですが,無担保・無保証人融資が,北海道信用保証協会への損失補償を行っても,なお1件しか活用されていないのは問題であります。東京都江戸川区で直貸しを開始したことなどを参考に,制度の改善を図るべきであります。緊急景気対策特別資金はもとより,新たにスタートさせることになった借りかえ制度についても,真に必要とする業者に対する融資がスムーズに行われるよう求めておきます。  農政についてですが,食糧自給率の向上を目指し,また,後継者対策,新規就農者対策を十分に行うよう強く求めて,私の討論を終わります。(拍手) ◆佐々木[周] 委員  私は,市民ネットワークを代表し,第二部決算特別委員会に付託されました議案6件について,これを認定する立場から,討論を行います。  以下,局別に述べてまいります。  保健福祉局についてです。  法務省は,現行の禁治産・準禁治産制度を見直し,判断能力の不十分な成年者を保護するために,ことし4月,成年後見制度の改正に関する要綱試案を発表し,2000年4月の介護保険導入と同時の施行を目指しています。この試案では,痴呆性高齢者,知的障害者,精神障害者等の保護とノーマライゼーション,自己決定権,身上監護の重視を主な要件としており,今後,財産管理だけではなく,福祉的視野が必要とされています。この制度の実施主体としては,第三者機関が望ましく,国では社会福祉協議会の存在に注目していると聞きます。本市の場合,北海道との関係及び意欲ある職員の育成等,制度導入に向けた準備を早急に進めるべきと考えます。  社会福祉施設の管理・運営情報は,介護保険の導入時,市民にとって,サービスの選択をするために必要不可欠となっています。監査報告の公開は,早期に行うべきです。また,施設内で入所者一人一人の人権が守られているのかも監査対象とすべきであり,今後の取り組みを求めます。  児童会館は,地域の子供たちの活動の場として親しまれています。しかし,障害のある子供にとっては気軽に行ける場所にはなっておりません。また,学齢期の子供には,現在,養護学校や特殊学級等,本来の通学区以外に通うことが多く,地域の子供たちとの交流が少ない状況にあります。そこで,児童会館が障害のある子供と地域の子供の交流の場となるよう,職員研修を行ったり,親との懇談を行うなど,受け入れ態勢を整えるよう取り組むことが必要です。  また,中・高生の活動の場が少なく,やむなくコンビニやゲームセンター等にいることが多く,スポーツや音楽等,自由な活動の場を用意する必要に迫られていると考えます。児童会館の開館時間の延長も含め,地域の方々との協力のあり方についても検討するよう求めておきます。  市民ネットワークが行った介護保険にかかわるアンケート調査によりますと,60%程度の方が,介護保険等のサービスを受けて在宅で暮らしたいと答えています。介護保険導入までの残された時間は少ないため,いろいろな状況を想定して準備を進める必要があります。  アンケート調査から想定される問題としては,独居の要介護高齢者へのきめ細かな情報提供,要介護認定作業の開始に伴う申請窓口での混乱を避けること,現在,重複してサービスが提供されていることが多い訪問看護婦と保健婦の訪問指導の対象者の調整,高齢者保健福祉計画の数字上の充足が必ずしもサービス供給の充足に結びつかないこと,市民からの要望が多い食事サービス等を継続してサービス提供をすること等々,数多くあることから,これらの課題についてもクリアできるよう,十分な準備を進めるよう強く求めておきます。  市立病院についてです。  静療院で行う痴呆性デイケアは,対象となる高齢者が増加していると思われるにもかかわらず,定員に満たない状況が続いています。デイケアのプログラムの充実と家族に対する心のケアも行うとともに,送迎方法についても,その対策について検討することを求めます。  建設局についてです。  市民ネットワークは,車優先の道路から,道路本来の姿である人が行き来する往来を取り戻そうと,車がスピードを上げられない道路,道路にこぶをつくるハンプや一部を狭くする道路づくりを提案してまいりました。本市では,今年度から,人が安心して歩けるコミュニティゾーンづくりを進めております。市民との合意形成に十分時間をかけ,他の地域へも広げていくべきと考えます。  道路除雪事業は,冬期間の市民生活に欠かすことができません。97年度決算では,雪対策全体で150 億円以上にも上っており,今後,むだな出費がないのか,検証も必要となっています。  しかしながら,先般,発覚した土木事業所職員の汚職は,あってはならないことであり,市民の信頼を著しく損ないました。本市で行う事業のすべては市民が汗した税金で行っていることを,いま一度,全職員が肝に銘ずる必要があります。今後,このようなことが起きないよう,特に管理職のチェック体制を明確にするとともに,汚職に関係した職員及び事業者に対し厳しく対処すべきです。  都市局についてです。  女性への暴力に対する支援策として,本市は関係部局を初め,警察,弁護士等と協力し,「女性への暴力」対策関係機関会議を設けるとともに,母子生活支援施設を駆け込みシェルターとして提供しています。ことし6月に,全国の民間シェルター24カ所が集まって,本市で開催されました駆け込みシェルターネットワーキング札幌シンポジウムでは,行政に対して支援を望む声が相次ぎました。また,住宅の確保が大変難しいことが報告されました。  札幌の民間シェルターは,全国の推進役として注目されており,市営住宅の優先入居が可能となれば,自立を望む女性への大きな支援となります。その実現に向けて検討されるよう求めます。  経済局についてです。  「さっぽろとれたてっこ」の名称で進められている顔の見える農業推進事業は,遺伝子組みかえ食品,ポストハーベスト,環境ホルモン等,ますます複雑・多様化する食の環境の中で,市民に地場農産物を新鮮なうちに届け,市民から喜ばれています。これは,地産地消のモデルでもあり,今後の拡大が望まれます。今後は,品質の向上を目指すことが重要な課題であると同時に,安全性を高めるとともに,消費者である市民と直接意見交換を行うなど,消費拡大への取り組みを展開することが期待されます。  交通局についてです。  景気の冷え込み,車依存社会の広がり等から,公共交通離れが著しく,一層厳しい経営状況が続いております。経営健全化計画との乖離もさらに大きくなっており,サービスの向上で利用客をふやすべく,さらなる努力を求めます。  高齢者,障害者のみならず,バス利用者へのサービス向上につながるノンステップ・バスが導入になりますが,市民の期待にこたえるような運行が望まれます。定期運行に先駆けての試乗会を行ったり,冬に向けての除雪体制を初め,関係者との連絡・調整を十分行うよう求めます。  最後に,水道局についてです。  水道水の安全性については,市民の関心も高く,本議会でも市民の陳情を受け,合成洗剤に含まれる非イオン界面活性剤を水質基準項目とするよう,国へ意見書を提出しております。ところが,建設省河川局が行った河川における内分泌攪乱化学物質に関する実態調査によりますと,市内を流れる豊平川から非イオン界面活性剤に由来するノニルフェノールが0.4 μg/l が検出されました。道内30地点のうち,同物質が検出されたのは茨戸川と合わせ2カ所のみであり,原水の安全性の確保が求められます。今後,本市としても,非イオン界面活性剤だけではなく,水源の環境ホルモンについて,関係部局と連携し調査すること,及び,国と協力し情報の収集と公表を進めるべきと考えます。  以上,述べてまいりましたが,97年度決算については,おおむね適正に予算が執行されたものと考え,認定いたします。  今後も,厳しい財政状況が続くと思われますが,事業についての検証をしつつ,最少の経費で最大の効果を上げるべく,行財政運営に努められるよう申し上げ,私の討論を終わります。 ◆菅井 委員  私は,新政クラブを代表し,第二部決算特別委員会に付託されました平成9年度の決算関係の諸議案につきまして,これを認定する立場から,簡潔に討論を行います。  地方財政運営が厳しさを増している中,平成9年度決算を見ますと,歳入においては,市税収入が個人市民税等の増加により予算額を上回ったことや,地方交付税措置のある市債の活用などで収入を確保し,また,地方交付税や国庫支出金の財源の確保に最大限の努力をされたこと,事業再評価プログラムへの取り組みなど,経費の削減や効率的な執行をすることによって所期の目的が達成されました。我が会派といたしましても,評価をするものであります。  しかしながら,急激な社会構造の変化や行政需要の多様化に的確に対応しなければならず,そのため,安全で,かつ快適な都市基盤づくり,防災体制の強化,高齢者,障害者などにかかわる地域福祉の推進,総合交通,総合環境対策の推進,経済の活性化等々,積極的な諸施策の展開を行う必要があるのであります。  そこで,本特別委員会に付託されました決算並びに関連事項について,主な意見を述べてまいりますと,まず,財政問題として,市債に関する件であります。  平成9年度末市債残高は,対前年度から692 億円余り増額した結果,合計で8,561 億円となっているのであります。将来の財政運営を考えますと,これらの市債償還が要因となって一層厳しいものになることが予想され,大きな課題であります。平成9年度は,他の政令指定都市と比べましても比較的健全性を保っているとはいえ,財政の弾力性を維持しなければならないと考えますので,今後とも,市債の増嵩については,慎重に,かつ適切に対応されるべきであります。  次に,経済問題に関してであります。  本市を取り巻く経済状況は大変に厳しく,個人消費,設備投資,雇用などの経済指標の悪化,また,企業倒産の負債総額,有効求人倍率は最悪の状況になっているのであります。その中にあって,公共事業の追加による景気対策や融資制度等の充実による金融対策,職業相談窓口の開設などの雇用対策について積極的に手がけられてきたことがうかがわれますが,景気回復に向けて,国や道とも連携し,迅速かつ適切な対応について取り組んでいただきたいのであります。  最後に,高齢者問題に関してであります。  介護保険制度への円滑な移行のためにも,行政側が市民の意識を施設利用型サービスから在宅福祉サービスに転換されることも含め,在宅福祉サービスの利用促進と,質の高いホームヘルパー養成とその確保を図っていただきたいのであります。  以上,平成9年度決算及び諸課題に対する要望も含めて,それらを評価してまいりました。今後,行財政改革推進計画に基づくさらなる改革を進め,より効率的な行財政運営に努められて,施策を展開されることを期待いたしまして,私の討論を終わります。 ◆松浦 委員  私は,本特別委員会に付託をされました議案第1号から第6号の関係分について,議案第2号 平成9年度札幌市病院事業会計決算認定の件については認定をいたします。他の5議案については,認定には反対であります。  その理由を申し上げます。  議案第1号について,一般会計の関係でありますが,まず,一つは,昨年の第1回定例議会で,私が市長に対して組合専従役員のやみ専従問題について質問したところ,市長は,欠勤専従は認めたけれども,給与は払っていないという,うその答弁をいたしました。その後,監査請求によってその事実関係が明らかになり,さらにまた,市民の訴訟によって,法的に違法であるということの判決が出され,市長も,それを認めました。しかし,市民は納得をせず,今,控訴をしております。これが認定しない理由の一つ。議会,市民をまさにだますような,そういう予算の編成・執行,これがまず反対の理由の一つであります。  二つ目は,除雪問題に関してでありますが,実は,去年の予算の中で,市長は,パートナーシップと市民助成トラックについて,市民に向けて,市民負担は1キロ当たり39万3,000 円,これが半額だ。そして,残りの半額39万3,000 円は税金で市が負担をする,こういうことで大々的にパートナーシップを全市民に呼びかけていったわけでありますが,決算の結果を見ますと,驚くなかれ,市民負担は39万3,000 円ですが,札幌市の負担は1キロ当たり78万7,000 円,2倍を超えているわけであります。まさに,予算執行上の事実と異なることをあらかじめ承知の上で,市民に開示をしていった。  さらにまた,貸し出しトラックとパートナーシップの札幌市の負担分の費用,市長から提出をいただいた書類の数字を分析しますと,1キロ当たり貸し出しトラックは53万6,000 円,一方のパートナーシップは,実質的に市民負担の1キロ当たり39万3,000 円の積み込み分を除く市負担分が78万7,000 円で,約1.5 倍であります。まさに,予算執行に当たって,市民に向けて発表している数字と,実際に決算されて,私どもが求めて,ようやく提出いただいた資料を分析すると,わかりやすい言葉で言えば,このように市民に対するうその数字の提示があった。こういう予算執行は,極めて不適切であります。こういうことからすれば,これまた認定に至らない,反対する理由の二つ目になるわけであります。  三つ目は,除雪に伴って,昨年度,収賄事件が発生をいたしましたが,この収賄事件の背景となっているものは何かと言えば,入札制度にあります。札幌市が発注する除雪の請負工事契約というのは,建設業法の適用除外であり,さらにまた,工事入札に当たっては,建設業法でいう,最低制限価格というものを設ける必要のない,まさに一般競争入札の適用事項であり,他の建設・建築関係の発注工事とはおのずと異なるわけでありますから,そういうことからすれば,この事件を根本的に防止をするのは,職員の心構えは当然でありますけれども,この仕事の条件をできるだけ緩くして,そして,その条件に合って市に登録された方は,ひとしく皆が参加していくという一般競争入札を導入することが,事件を引き起こさない最良の方法となると思います。  今回,今冬に当たっての改善策が出されましたが,この改善策は,まさに組織内部の体制のいじくりであって,あるいはまた,人の心構えの問題であって,相手があって起こる贈収賄事件という,その相手方に対する対応策というのは全く示されていない。これでは,今後もこういう事件の発生が大いに懸念をされるわけであります。そこを解消しなければ,この問題の根本とは言いませんけれども,最大公約数の解決策にはなっていかない,こういうことを私は指摘をいたします。これが,反対の理由であります。  続いて,議案第3号 中央卸売市場事業会計決算の関係でありますが,反対する理由の一つには,まず,食糧費の関係であります。食糧費で,議員を初めとして関係職員,あるいはまた関係審議委員など,それぞれの贈答品を含めて,昨年度,さらにことし,私が市長に,廃止をすべきだという申し入れを行い,そして市長から文書で廃止の回答を得るまで,これが実施をされておりました。  既に理事者側の皆さんもご承知のように,この食糧費の問題については,平成7年の秋の決算議会から全国的に大きな問題となって,一般会計でも,あるいは企業会計でも,これらについては,今後,最小限にしていくと,いろんな制限を設けて実施してきたわけでありますけれども,残念ながら,中央卸売市場会計においては,これらがきちっとほかの会計並みに守られていなかった。したがって,それが継続をされていた。このことに対して,私は,この卸売市場会計の全体の決算についても,これらを含めて認定するわけにはいかない。  さらに,認定ができない二つ目の理由は,市場の一部用地を日・祭日の中央競馬開催日に駐車場として使用し,その収入に対する取扱方ですけれども,これは,市場長が自治会長となり,会計責任者は管理課長と,こういうような中で,実質的に札幌市の職員が運営の実権を握ってやっている団体に,札幌市が無償で土地を貸し付けて,そして,収支について,札幌市の議会を含めて,あるいは監査委員を含めて監査することなく,使って余った金が札幌市に納入されるという,まさに法の適用外の運用というのはまかり通るものでありません。したがって,このようなことが21年間も行われてきた,こういうことを,私は,やはり市場会計の認定ができない理由の二つ目として申し上げています。  細かいことについては,既に市場長の方も,今後はこれを改めていくということを言っておりますから,申し上げません。  続いて,議案第4号と第5号の札幌市交通事業会計の関係であります。  これについては,反対の一つは,組合役員の勤務率の関係でありますが,再三の指摘によって若干は改善されたけれども,とりわけ,本部の専従役員が50%を切る勤務率,これは通常考えられることではありません。したがって,これらについて改善がされていない,この点であります。  二つ目は,職場の超過勤務のあり方など含めて,いろいろ職場の中で実態が報告をされ,あるいはまた,職場の中でも,職員同士での内部の批判もそれぞれあります。こういったものをきちっと改善を図っていく。9年度の予算執行の中では,このことが十分に改善が図られていなかった,これが二つ目の反対の理由であります。  続いて,議案第6号 平成9年度札幌市水道事業会計決算の関係でありますが,これに反対する理由は,これもまた,最初に申し上げた組合専従役員の給与の支払い問題で,事業管理者の,市長と同じように,昨年度は給与の支払いをしていなかったという,うその意思表明であります。市民の大事な税金を預かって,執行をしていく市長並びに管理者の立場として,こういうようなことは許されることではありません。この点が含まれておりますので,反対。  以上,反対の理由を申し上げました。  最後に,全般にわたることでありますけれども,市民から市職員に対してさまざまな改善要望,わかりやすく言えば,納めた税金によるさまざまな公的サービスの還元要求が出されます。これに対する対処の仕方が,今,各地域で行われているのは,市民一人一人が要望しても,町内会を通して要望してこい,回答は町内会にするということで,まさに納税者の権利が否定をされる行政がまかり通っております。このことの改善を強く求めておきます。基本的には,納税者一人一人の納税の義務と,そして,それに対するサービス還付を求める権利というものは当然あるわけでありますから,そのことをきちっと認識をした上で執行に当たられることを求めておきます。  まだいろいろありますが,大きく言って,こういった点が,特に9年度の執行に当たって市民から寄せられ,また,私なりに実態あるいは書面上の審査などによって最低限指摘をしなければならない理由ということを申し上げて,終わります。 ○村山 委員長  以上で討論を終結し,直ちに採決を行います。  この場合,分割して採決を行います。  最初に,議案第1号中関係分及び議案第3号から第6号までの5件を一括問題といたします。  議案第1号中関係分及び議案第3号から第6号までの5件を認定すべきものと決定することに賛成の委員のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○村山 委員長  起立多数であります。よって,議案第1号中関係分及び議案第3号から第6号までは認定すべきものと決定いたしました。  次に,議案第2号を問題といたします。  議案第2号を認定すべきものと決定することに賛成の委員のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○村山 委員長  起立多数であります。よって,議案第2号は認定すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして,第二部決算特別委員会に付託されました全案件に対する審査をすべて終了いたしました。     ────────────── ○村山 委員長  ここで,一言ごあいさつを申し上げます。  第二部決算特別委員会に,議案第1号から第6号までの6件が付託されたわけであります。約92名,そして延べ30時間余にわたっての慎重審議でありました。無事に,それぞれご理解をちょうだいしながら終了したわけであります。  しかしながら,各会派委員から,貴重な質問,ご意見,提言がございました。このことにつきましては,原局各位の皆様方も,ぜひひとつ大きく大きく施策の中に反映をさせていただきたい,このように思っております。  我々議員も,市民から負託をされてこの議会に来ているわけでありますから,市民の理解をちょうだいできるように,一生懸命また努力をさせていただきたいと存じます。  最後になりますが,これから寒くなります。また,来年の4月には,統一選挙があるわけであります。議員各位の皆様方も再度,またこの席において,市民に負託されました案件のご審議をちょうだいしたいなと,このように思っております。  どうか,そういうことも踏まえて,今後ともに特段なるご協力を心からお願い申し上げまして,一言ごあいさつにかえさせていただきます。どうもご苦労さまでございました。(拍手)     ────────────── ○村山 委員長  これをもちまして,第二部決算特別委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午後2時13分...